こんにちは、じんぞう(Jinzo_studio)です。
中国に引っ越してすぐって、めっちゃ神経使うよね。吸う空気も全然違うし、もうなんか生きてるだけでストレス感じてる。楽しいよ、楽しいんだけどね、やっぱり日本の生活とはいろいろ勝手が違うもんね。
ぼくもそんな感じで、引っ越して1週間はただがむしゃらに生きていたんだ。生きることに必死だったんだ。気を抜く隙もなかったよね。
でも一週間を過ぎたころから、ちょっと気が抜けるようになるよね。で、考える余裕ができたときに問題が起こったんだ。
中国語聞きとうない!話しとうない!
慣れない中国語を必死に聞き取って、話してを繰り返したらもう疲れちゃったよね。
パトラッシュ…もう疲れたよ…ってなったよね。もちろん耳だけじゃなくて精神的にね。なんかもう中国語お腹いっぱいやわ。もう中国語喋りとうない!聞きとうない!
でも、残念ながら腹は減る。
おかしいだろ…中国語はお腹いっぱいなのに…腹は減るんだぜ…誰がうまいこと言えと…
まだ引っ越して一週間しか経ってないからね。銀行口座は開設できてなかった。つまり、wechatpayもAlipayもまだ使えなかったんだ。(※アリペイツアーパス等もまだ無かった)
これが何を意味するか…もうわかったな?つまり、会計のときにレジのおばちゃんが早口で言う値段を聞き取らないといけないんだ。まだ日が浅いから、块だの角だのもよく分かってないし、絶対聞き取れないんだよなあ。
で、「え?」って聞き返したら「あ゛ぁ゛?」って聞き返されるのよなあ。分かってんのよ。火を見るより明らか。ダチョウ倶楽部が出てきたら絶対熱々おでんがセッティングされてるでしょう。あれぐらい明らか。もう嫌なのよあのくだり。もう玉子発射したくないのよ。
でも腹は減ってしょうがない。そういうときって、誰に聞いたわけじゃないのに知恵が出てくるよね。思いついちゃったよね、中国語をひとっことも使わずにご飯調達する方法。ぼくのカラダが生きたいって言ってる。底力出ちゃったよね。
オレのターン!銀聯カードをドロー!マクドナルドの無人レジにセットだ!
うちから徒歩2分のところにマクドナルドがあってね、そこには無人レジがあるんだ。でもwechatpayはぼくの手元にない。そこで登場するのが銀聯カードだ。
▲ぼくらの命を繋いでくれた銀聯カード。
これなら無人レジで注文できる。VISAとMASTERは駄目だったけど、たしか銀聯カードのマークが貼られてあったはず。
微かな記憶を元に、ぼくはマックに走ったんだ。横断歩道を早足で突っ切った。
赤信号でも容赦なく突っ込んでくる电动车も、今日は止まって見える。なんたって今、僕の本能が開眼してるからな。待ってろポテト。待ってろバーガー。今、迎えにいく。
息を切らして早足で2分。ようやくマックに着いたぼくは無人レジに向かう。
▲おなじみのコレな。よし、ひとつ空いてるぞ。並ばなくていい。
まずカードリーダーを見る。カードをシュッてするところと、もうすっかり見慣れてしまった銀聯カード対応のマークがある。
これで勝つる。中国語で会話しなくて済むぞお!心はガッツポーズしているが、いかんせん疲れているし腹が減っている。
ぼくは中国語との濃厚接触を最小限に保つため、写真をもとにセットを注文する。ふむ、22元か。日本円でいくらかなど、今はどうでもいい。先を急ぐのだ。支払いはどうしますか的なことを聞いてきた。当然銀聯カード一択。ついにこの時がきた。オレのターン。
ドロー!銀聯カードを無人レジにセット!!と(心の中で)叫び、カードリーターに勢いよくシュッ!!してやった。そして6桁の暗証番号を狂ったように打ち込む。ターンエンドだ!
空腹と中国疲れでうつろな目をしていたが、ぼくの心は完全勝利を確信していた。
するとどうだろう。モニターに表示されたのは中国らしい、陰影のはっきりしたゴツい手のOKサイン。印字されるレシート。
ふむ、このデカデカと書かれた5桁の数字がモニターに表示されたらいいんだろう。俺たちは言葉など分からなくても通じ合う。マックって、そういうもんだからー。完全勝利の味ををかみしめてはいたが、いかんせん空腹である。物理的にはヨダレしか噛みしめてないのである。つらたん。
ついにその時は来た。モニターに表示される5桁の数字。ぼくの番だ。じんぞうは中国語がわからぬ。でも店員のおばちゃんの「仕上がったけど、キミのバーガーやんな?」という目つきはわかる。中国語いっさい受け付けないチャレンジ実施中のぼくは、目で「ありがとう」と言い、レシートの数字を見せる。
でも油断してはいけなかった。中国のマックはストローがセルフ受取。危うく忘れるところだった。さっきぼんやりと前のお客さんの動きを眺めていていてよかった。あのよくわからない仕組みのストロー入れの金具をカチャンとして、ストローを受け取った。あとは光の速さで家に帰るだけだ。
空腹だが、足取りはしっかりしていた。赤信号で突っ込んでくる电动车なんかもうどうでもよかった。ぼくは計画通り、光の速さで家に滑り込んだ。家には日本人の妻しかいない。もう中国語はやってこない。ここまでひとことも中国語で会話してないし、ここからもそうだ。こうしてすべては成功だ。ミッションコンプリート。ばくは余韻に浸る間もなく、バーガーとポテトに手を伸ばした。うまい。相変わらず俺たちのマックは安定している。あっという間に平らげてしまった。勝利の美酒はなかったが、勝利のコーラには酔いしれた。
とにもかくにも、この「中国語を一切使わず食料を調達する」というスキルを身に着けてしまったぼくら夫婦。銀聯カードはマックのみしか使用しなくなり、もはや「マックカード」に。その後も同じことを繰り返した結果…
_人人人人人人人人人人人_
> マックだけで5,595円 <
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その後無事に銀行口座を開設。WeChatPayが使えるようになり、事なきを得ました。スーパーで買う野菜おいしいれす。
じんぞう
あと、こういうこともあるから中国に引っ越す人は一応銀聯カード作っておくといいと思います。中国語イヤイヤ期の非常脱出ボタンになってくれるよ!